ステッピングモータの基本的な構造と動作原理
ステッピングモータとは:
ステッピングモータは巻線に流す直流電流を切り替える事による歩進的動作を繰り返し回転するモータであり、位置検出器なしで位置・速度を制御できるモータである。 基本構造で分類する:
ステッピングモータを構造で分類するとVR型(バリアブルレラクタンス型)、PM型(永久磁石型)、HB型(ハイブリッド型)に大別される。弊社では、高分解能、高精度、高トルクを追求するためHB型のステッピングモータ、および小型PM型を採用しています。
ON/OFFの1サイクルを1パルスと数え、1パルスが入力されると1ステップ角度だけモーター出力軸が回転します。
ステッピングモーターの回転角度とパルス数の関係は、次のようになります。
パルス速度[Hz]と回転速度[r/min]の関係は、次のようになります。
このため加速性・応答性に優れており、頻繁な起動・停止が必要な用途に威力を発揮します。また、AMシリーズギヤードモーターを使用することにより、さらに大きなトルクを得ることができます。
ステッピングモータは巻線に流す直流電流を切り替える事による歩進的動作を繰り返し回転するモータであり、位置検出器なしで位置・速度を制御できるモータである。 基本構造で分類する:
ステッピングモータを構造で分類するとVR型(バリアブルレラクタンス型)、PM型(永久磁石型)、HB型(ハイブリッド型)に大別される。弊社では、高分解能、高精度、高トルクを追求するためHB型のステッピングモータ、および小型PM型を採用しています。
• HB型ステッピングモータの基本構造
• PM型ステッピングモータの基本構造
• ステッピングモータの動作原理
ステップ角1.8°、2相ユニポーラタイプの動作を説明します。固定子には8つの磁極が45°間隔で配置され、各磁極には5つの歯が7.2°間隔で配置されています。回転子は、50個の歯を持つ2個の回転子鉄心とマグネットから構成され、回転子鉄心は互いに半ピッチずらして組立てられています。固定子の励磁相を切り替えたときの回転子の動きます。 A相が励磁されることにより、回転子鉄心のS極側の歯は固定子のN極の歯と向い合い、N極側の歯は固定子のS極の歯と向い合い、それぞれSとNが引き付け合って安定します。この時、固定子の磁極に対して回転子のS極側の歯と磁極の歯に対して回転子のN極側の歯は1/4ピッチ(1.8°)位相が遅れています。B相に励磁を切り換えます、B相の励磁により回転子は1/4ピッチ(1.8°)回転して安定します。以後、励磁相を切り換えるたびに、回転子は1/4ピッチづつ回転して行きます。 また、ステッピングモータには、コイルに流す電流の方向によりバイポーラ方式とユニポーラ方式があります。バイポーラのコイルには両方向の電流が流れます。モータとしての構造は簡単で端子数も少ないのですが、1つの端子の極性を制御しないといけないので駆動回路は複雑になります。しかしながら、巻線の利用効率がよく細やかな制御ができるので高い出力トルクが得られます。また、コイルに発生する逆起電力を低減できるので、耐圧が低めのモータドライバを利用できます。トルク特性は低速駆動域にて約40%高くなります。ユニポーラのコイルには一定方向のみ電流が流れます。モータとしての構造は複雑になりますが、電流のオン/オフだけの制御で済むので駆動回路が簡単になります。しかしながら、その分巻線の利用効率が悪く、バイポーラ結線に比べ約半分程度の出力トルクしか得られません。また、電流オン/オフの際にコイルに高い逆起電力が発生するので、高耐圧のモータドライバが必要になります。 2相(バイポーラ)ステップモーター
2相(ユニポーラ)ステップモーター
• 細かく、正確な位置決め
ステッピングモーターは時計の秒針のように、一定の角度ずつ回転するモーターです。この角度を基本ステップ角度と呼びます。弊社では基本ステップ角度が1.8°の2相ステッピングモーターと、基本ステップ角度が1.2°の3相ステッピングモーターをご用意しています。 また、基本ステップ角度0.72°、0.9°、1.5°、3.6°、3.75°のステッピングモータも受注できます。• パルス信号で簡単に制御
高精度位置決めのシステム構成は、下図のようになります。ステッピングモーターの回転角度と回転速度は、パルス信号で正確に制御できます。• パルス信号とは
電源のON/OFFが繰り返される電気信号です。ON/OFFの1サイクルを1パルスと数え、1パルスが入力されると1ステップ角度だけモーター出力軸が回転します。
• 回転角度はパルスの数に比例
ステッピングモーターの回転角度は、ドライバに入力するパルス信号の数(パルス数)に比例します。ステッピングモーターの回転角度とパルス数の関係は、次のようになります。
• 回転速度はパルスの速度に比例
ステッピングモーターの回転速度は、ドライバに入力するパルス信号の速度(パルス周波数)に比例します。パルス速度[Hz]と回転速度[r/min]の関係は、次のようになります。
• 小型・高トルクです
ステッピングモーターは、小型で高トルクを発生します。このため加速性・応答性に優れており、頻繁な起動・停止が必要な用途に威力を発揮します。また、AMシリーズギヤードモーターを使用することにより、さらに大きなトルクを得ることができます。
頻繁な起動・停止が可能です
同じ寸法のサーボとステッピングモータのトルク・速度特性比較
• 停止位置を自己保持できます
ステッピングモーターは停止しているときにも保持力がありますので、機械的ブレーキに頼らなくても停止位置を保てます。• 電磁ブレーキ付きステッピングモーター
主電源遮断時に、保持力がなくなります。そのため、上下駆動でお使いの場合にはワークが落下する可能性があります。停電のような不測の事態が発生したときに負荷を保持し、落下を防ぎるため、弊社では電磁ブレーキ付きステッピングモーターををご用意しています。• ステップサーボシステム(閉ループ制御)
弊社は、サーボの制御技術をステッピングシステムに組み込んで、優れた性能を備えたステップサーボシステムを作成し、従来の開ループステッピングシステムより機能を向上させます。ステップサーボシステム(クローズドループ制御)が
① モーターの出力トルクを有効に利用することができる。
② 加減速を自律的に短時間に、円滑に行うことができる。
③ 一時的な過負荷による脱調を防止でき、また、振動現象や不安定現象を行わないように制御する事ができる。
④ ステップモーターのロータ軸の位置を検出して、位置信号或は位置と速度の情報に基づいて、細かく、正確な位置決めることができる。
⑤ システムの応答性が向上させる。
⑥ システムの体積がコンパクト化になる。
等の利点があります。
① モーターの出力トルクを有効に利用することができる。
② 加減速を自律的に短時間に、円滑に行うことができる。
③ 一時的な過負荷による脱調を防止でき、また、振動現象や不安定現象を行わないように制御する事ができる。
④ ステップモーターのロータ軸の位置を検出して、位置信号或は位置と速度の情報に基づいて、細かく、正確な位置決めることができる。
⑤ システムの応答性が向上させる。
⑥ システムの体積がコンパクト化になる。
等の利点があります。